ownCloudとLet’s Encrypt(1)
出張先のネット環境は良くも悪くもないのですが、Windowsファイル共有のプロトコルの性質もあり、VPN経由だとどうしてもファイル転送速度が落ちてしまいます。
今回から自宅のファイルサーバから出張先へのファイル転送速度の向上について考えていきたいと思います。
昨今では月数百円支払えば1TB程度のクラウドドライブを使えますが、それでも転送速度やセキュリティ、1ファイルあたりのファイルサイズに問題があり、ファイルサーバーの完全な代替にはならず、限定的な使い方を強いられています。
一時は、Dropboxライクなクラウドドライブを自宅で運用できるownCloudを使っていた時期もあったのですが、モバイル端末のクライアントアプリがチープだったり、オレオレ認証局を使用していたためhttps通信でいちいちエラーがでたりで、結局使うのをやめてしまっていました。
今回、ownCloudを再考した理由は、ちゃんとしたSSL証明書を無料で取得できる「Let’s Encrypt」といいうサービスが正式に開始されたので、ownCloudの使い勝手を悪くしていた要因が一つなくなったこと、クライアントアプリも日々バージョンアップしているので使い勝手が上がっているのでは?という期待と、https通信であれば応答速度もVPN程には影響を受けないはずなので、いろいろと好条件がそろっていると思えたからです。
以下、構築の流れです。(Windows上でのフォルダ共有と、すでにドメイン名を取得していることを前提とします)
- CentOS7をインストールし初期設定
- Apacheをインストールし、Webサーバを構築(mod_sslもインストール)
- Let’s Encryptから証明書をインストール
- yumでownCloudをインストール(php関連のモジュールも)
- MariaDB(MySQL互換)をインストール
- ownCloudの設定画面からファイルサーバと連携
Linuxに慣れている人ならそれほど難しくはないのですが、いくつかハマったポイントを書いておきます。
- Apacheを起動しているのに、Apacheの初期画面が表示されない。
→CentOSインストール後はFirewallが起動しているので、80番ポートと443番ポートのアクセスを可能にしておく。 - ownCloudの画面が表示されない
→conf.d配下のowncloud.confのファイルパス中の「owncloud」が二重になっているので余分な部分を削除する。 - ownCloudの画面からWindowsファイルサーバに接続設定ができない1
→smbclientをインストールする。 - ownCloudの画面からWindowsファイルサーバに接続設定ができない2
→共有名の前に「/」を入れる。 - ownCloudの画面からWindowsファイルサーバに接続設定ができない3
→なぜかMicrosoftアカウント(ユーザー名がメールアドレス)だとつながりません。普通のアカウントを別に作り、そのユーザーで設定する。
実際の転送速度の比較やアプリの使用感は、来週火曜以降、現地でチェックします。
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DNSサーバの用意の必要はなく、WindowsのDDNSクライアントが提供されているのでアドレス更新も自動です。
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